看護師の活躍の場は、病院やクリニックばかりではありません。メディカルチェックを中心に行う施設でも十分活躍できます。メディカルチェックとは、健康診断や人間ドッグなどを指し、医療機関や検診センターなどの検査機関で行われます。
検査機関では、疾患の治療を目的とした患者が訪れるのではなく、自分の健康状態を把握したい人が利用しますが、企業の集団検診の時期などには、検診車で企業に赴いて各種検診を実施することもあります。そのため、一般的な病院のように、看護師は、医師の治療のサポートをするわけではありません。バイタルチェックをはじめ、採血や患者の問診、検査室への案内などが主な仕事になります。そのため、高度な看護スキルは求められませんが、メディカルチェックの仕事には向き不向きがあることを知っておきましょう。
メディカルチェックの施設では、一日に数百人という人を対象にバイタルチェックや採血を行うことになります。したがって、ルーティーンワークが苦にならない人に向いているといえるでしょう。また、一人一人に割く時間は短いので、短時間で必要事項を聞き取るコミュニケーション能力も必要です。ですから、優れたコミュニケーション能力と観察眼のある人には最適です。
しかし、反対に採血が苦手だという人には向いていないでしょう。また、患者の治療を行うわけではないため、臨床経験を積みたいという看護師や一人一人の患者と深く関わりたいという看護師にも適していません。そのため、メディカルチェックに興味がある看護師は、これらを踏まえたうえで、転職を検討すべきでしょう。